ミスター・エルビスが出演OK!
エルビスのそっくりさんことケリー・サマーに付いての
カナダ新聞記事より抜粋。



年一回の大会が開催されたラスベガス・・・その最終日を迎え、およそ150人の
腹話術師が ホテルの会議室に集合、伝統的な記念撮影をやりました。みんなで楽しい
4日間を、 一緒に 過ごし、この大会を満喫した仲間。ワークショップあり、お互いの
パフォーマンスを 批評することもあり 情報交換もあり・・・衣装込みで1体6000
ドルもする人形の保管方法などについ て、有益な知恵を分かち合ったりもした。
 バースデー・パーティなどでパフォーマンスをすれば、好奇心が強く、手もあまり清潔
でない子供達から人形を守らなければならないこともよくあります。
「こんな時どうすればいいのか」 など の情報交換などもあったようです。
会場内では様々な声(人形の)が飛び交っていました。クマ、カウボーイ、キース・リチャーズそしてワニ、おばあちゃん、ネコ、赤ちゃん、タキシードを着た小柄な人形も、
もちろん何人も 来ていました。バーニー・マラーとか俳優のエイブ・ヴィゴーダとよく似た
キャラクターも お目見えしていました。
 この腹話術師の祭典が開催されたのは、今回で4年連続。集まった腹話術師は、ほぼ
200名。アメリカ国内各地、さらにカナダ、ドイツ、日本からも参加者が集まりました。
ハラー ズホテルの宿泊客、ならびにカジノを訪れた人の多くも、この大会に集まった
沢山の腹話術師を目の当た りにして、思わず振り返り、腹話術師がつい緊張気味に苦笑い、
してしまう場面も、しばしば見られました。
様々なイベントを体験してきた筈のラスベガスに集まったギャンブラー達も、思わず
振り返らずには いられなかったようです。
 スロットマシーンの遊戯場を警備していた警備員も、膝の上に背の低い子供を乗せて
マシーンに興じている女性を見て、目を疑ってしまったと言います。よくよく見たら、
その子は腹話術 人形だったと言うことです。
 年1回の定期大会は日曜日に終了。この大会の開催に大きく貢献しているのは、
イギリス出身の腹話術師。ステージ名はヴァレンタイン・ヴォックス。
1960年代にはトロントを舞台活動。 まずはCBSのテレビに登場。番組名は
「ラルズ・タルズ」。その後は、子供向けの番組「アンクル・ボビー・ショー」で活躍。
その時の人形は 騎馬警官のダニエル、そしてビーバーのバジルでした。
「大会の開催を通して、腹話術の地位向上を図りたい。単なる趣味ではなく一種の
芸術なのだ、、、と 認識してもらえるように。」と、ヴォックス。
 テレビで活躍していた頃は、あのマーティン・ショートとも共演。
当時はSCTVの番組でお馴染みだったブライアン・ラインハンの物まねなどを
ネタにしていたと言う。「腹話術に対する認識と言うのは、かつてのボードビル・ショー
時代の流れをくむ、一風変わった芸、、位のものでしょう。テレビを見ていても、
5分に一回の頻度で登場するほど普及しているものではありませんから。つまり、
もうすぐ絶滅する、、、ぐらいにしか思われていないんです。」
 古代エジプト人は、腹話術のことを「ベリー・トーカーズ(お腹で喋る人・・と言う意味)」
と呼んでいたようです。 現代では、ゲーム・テーブルなどでの会話から来る印象で
「変人」だと思われている場合も多いようです。
 腹話術師はまだ絶滅した訳ではありません。しかし、腹話術師の活動の場がかなり
限定されている事は確かです。巡航船の中、一部のコメディー・クラブ、そしてカジノ
などです。企業が主催するイベントに出演することによって、
それなりの収入を得ている人もいると聞きます。
 困難に直面している子供達のために頑張っている腹話術師もいますし、
病気で苦しんでいる人たちを励ましている者もいます。
 サン・フランシ スコには、街の中をパトロールしながら、警官の制服に身を包んだ
腹話術人形を、同行している警察官もいたといいます。
(ちなみに腹話術師はこの人形をダミーと呼びます。フィギュアとかパペットなどと
言っ てみてもかまいません。)
 いずれにせよ、腹話術をすることによって巨万の富を稼ぎ出している人がいる、、、
と言う話はあまり聞きません。地位と名声を獲得したと言う話も、、、。
 過去30年間、腹話術師の中で最も成功をおさめてきたと言われている方の一人は、
ウィリー・タイラー。 人形の名前はレスター。
このコンビの功績をたたえたビデオ・クリップは、テレビCMで2〜3回起用
されていました。モウタウンのスターと共演したギグ。更に「ザ・ジェファーソンズ」に
ゲスト出演したこともあります。毎週放映されるエンターテイメント番組のテーマが、
腹話術・・・と言うことは、まず無いようです。


そんな中、背の高い(本当は?)腹話術師、ケリー・サマーズが頑張っています。
ベガスにおける、あらゆるエンタテーメントの
要素を取り入れたと思われる芸を披露しています。
ミュージシャンであり、ジョークで人を笑わせたりもし、顔まね、モノマネなどの
瞬間芸もやるのです。十八番はエルビス・プレスリーの物まね芸。
腹話術の人形も、プレスリーの扮装をしていることは言うまでもありません。
この人がやらない事といえば、カジノで大きく稼ぐことぐらいでしょうか。

まだ未成年だった頃は、恥ずかしがりやだったサマーズ。
もう少し社交的になろうと考え、手品覚えることにしました。
トランプの手品が思いのほか好評だったと言います。21歳の頃は、オーストラリアで
モルモン教の宣教師をしていました。
その頃、手元に残っていた最後の現金25ドルをポケットに忍ばせ、手品用品の
専門店に入りました。手品の幅を広げるために、手品用品を買い足そうと思ったのです。
ところが、店内で彼がみつけたのは、昔ながらの腹話術の人形。おまけにその人形には
腹話術の基本技術が解説してある、教本まで付いていたのです。
人形と教本がセットになって、定価は25ドルでした。

「人知れず、ひそかに眠っている芸術・・・って感じがするでしょう?」
サマーズは腹話術について、こう言います。「人形の実物と直接出会うまで、
腹話術のことなんか考えることも無いでしょう。人形を見てから、興味を抱くものなんです。
興味を持ち始めてから、腹話術にも、深くて長い歴史があることを知りました。
腹話術にたずさわる、魅力的な人たちが色々いることも知りました。
そんな風に夢中になってしまい、フッと気が付くと、、、
腹話術の無い人生なんか考えられなくなっていたんです。」


ところで、このケリー・サマーズ氏は私の大の仲良しで、JVA創立を
心から喜んでくれている一人です。そして、日本でのフェスティバル開催を人一倍
心待ちにしております。誰にでも好かれる、小太りのエルビス・プレスリー!
武志記

         

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